気候変動などの環境問題に対して、包装資材の分野においても、地球環境を守る素材の採用が求められています。
永谷園グループでは、商品の包材に環境配慮型素材を導入することで環境負荷を低減し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

気候変動は、異常気象や生物多様性破壊を引き起こし、企業活動に大きな影響を及ぼします。
2015年には気候変動抑制の国際条約「パリ協定」が採択され、日本では2020年10月に内閣総理大臣が、2050年までに脱炭素社会の実現を目指すと宣言しました。永谷園グループも気候変動の原因となるCO2排出量削減に積極的に取組んでいます。

環境に配慮した包装資材の採用

プラスチック使用量の削減

永谷園

2023年より、中華惣菜群の外装を薄層化しました。これにより年間約38トンのプラスチック使用量の削減になります。

DAY TO LIFE

DAY TO LIFEのビアードパパ店舗では、2022年6月から、持ち手付きの紙箱に変更し、お持ち帰り用のビニール袋を減らしたことで、プラスチック使用量を削減しました。

バイオマス原料の使用

2017年より、徳用10食入みそ汁の外装に、バイオマスプラスチックを使用した包材を使用しています。バイオマスプラスチックは、一部に植物由来の原料を使用することで枯渇性資源である石油の使用量を削減し、従来の石化由来のプラスチックより、CO2排出量を抑制できる環境にやさしい包材です。
2021年4月より、惣菜の素やふりかけなどの主要商品のパッケージに、植物由来の原料を使用したバイオマスインキを使用しています。

バイオマスインキを使用した商品の一例

調理時における環境配慮商品

2023年3月に発売した「パキット」は、パキッと折ったパスタを電子レンジにかけるだけで、パスタの茹でもソースの温めも同時にできる、専用パウチに入った“パスタソース”です。
ガスコンロを使用して調理する場合よりも、CO2排出量を約70%削減※1できます。また、水の使用量も、約95%削減※2できる環境にやさしい商品です。
パスタ調理の新スタイル「パキット」は、日本食糧新聞社主催の第36回新技術・食品開発賞や、日本経済新聞社の2023年日経優秀製品・サービス賞 最優秀賞など、数々の賞を受賞しました。

  • ※1 家庭でパスタ(乾麺)を茹でる際に排出されるCO2排出量(当社調べ)
  • ※2 パスタ(乾麺)、ソース調理(湯せん)時における水の使用量 (当社調べ)
    条件:パスタ、ソース調理ともに水15℃、合計使用量3リットルの場合

生産工場の取組み

再生可能エネルギーの導入

永谷園グループでは、脱炭素社会の実現に貢献するため、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの利用促進に取組んでいます。
永谷園フーズサンフレックス工場では、屋上に太陽光パネルを設置しています。また、永谷園フーズ茨城工場では2022年1月よりトラッキング付・FIT非化石証書等が付与された実質再生可能エネルギーの電力に切り替えました。
これにより年間約1,178トンのCO2排出量を削減しました。

再生可能エネルギーの導入

ボイラーLNG化

永谷園フーズサンフレックス工場は、2023年1月にボイラーの燃料を、重油から液化天然ガス(LNG)に切り替え、CO2排出量の削減に取組んでいます。

  • ※ ボイラー:水などの液体を加熱することで蒸気や温水を作る機械
ボイラーLNG化

間欠運転による電力の削減

永谷園フーズ岡山御津工場では、排水処理施設のブロワーの間欠運転を2022年7月より開始しました。工場周辺への臭気等の影響を考慮して夜間のみ実施し、CO2排出量の削減に取組んでいます。

  • ※ ブロワー:浄化槽に酸素の供給を行うことで水中の微生物を活性化し、有機物の分解を促進させる装置

LED照明への切り替え

永谷園グループでは、「長寿命」「省電力」「水銀を含まない」などの理由から、環境にやさしい照明であるLEDへの切り替えを進めています。
永谷園フーズオクトス工場では、2023年度に311灯をLED照明に切り替え、年間約35,000kWhの電力を削減し、CO2排出量を14トン削減しました。

LED照明への切り替え

物流の取組み

永谷園では、輸送手段をトラックから、環境負荷が少ない船舶や鉄道への輸送に転換する「モーダルシフト」に取組んでいます。2023年1月に、群馬県~岡山県の倉庫間輸送を、トラック輸送からコンテナ輸送に転換し、CO2排出量の削減に取組んでいます。